【その29】 ★経営分析その4「売上高経常利益率」について考えよう!
前回は経営分析の基本となる「総資本経常利益率」について考えてみました。
今回からしばらくは総資本経常利益率を分解した指標について検討していきましょう。
まずは、収益性を表す指標について考えていくことにします。
収益性分析ではなんと言っても「売上高経常利益率」が、最も重要だと言えるでしょう。
売上高経常利益率とは、今期の業績を表す経常利益をいくらの売上高で稼いだのかを見る指標です。
ここでちょっと念のため。
企業が儲かっているかどうかを見る財務諸表は、損益計算書です。損益計算書がわかるためには、「発生主義」の理解が前提になります。「うちの税理士は儲かったのだから、税金を払えというが、金がないのに儲かっているはずがない!!」と言う社長は損益計算書を理解しているとはいえませんね。
釈迦に説法かもしれませんが・・・・
売上げは実現時点、仕入れ及び経費は発生時点で損益計算書に計上されるのが原則です。この発生主義に対するものとして「現金主義」があります。現金主義によると、取引の全てを入金されたときや支払ったときに計上するため、サイトの違いによって計上時期が異なり、正確な損益計算が行えないだけでなく、貸借対照表も不正確なものとなってしまいます。そのため零細な個人事業以外は発生主義によることが義務づけられています。
正確な財務諸表に基づいてこそ正確な分析ができ、対象企業の企業体質を把握することができるのです。
つまり・・・・
損益計算書の「経常利益額」=「現金増加額」
ではないと言うことです。 |
では、利益はどこに行ったのか?それを見るのが「キャッシュフロー計算書」ですが、
それについてはまた後日。 |
| さて、ここで例題によって、売上高経常利益率を計算してみましょう。 |
年間売上高 5億円
経常利益 3千万円
売上高経常利益率= 経常利益÷売上高= 3千万円÷5億円 = 6% |
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さて、売上高経常利益率の目安についてどのように考えたらよいのでしょうか?
一般的に製造業など付加価値額の多い業種は、利益率も5%前後と高くなります。
卸売業や小売業などは、2%前後に落ち着くようです。
我が社の数年間の比率を計算し、傾向を検討してみてはいかがでしょう。
TKCの「BAST」(TKC経営指標)などを利用して同業他社と比較することも役に立ちます。
売上げだけ追うのではなく、しっかりと利益を稼ぐ効率の良い事業を進めて行きたいものですね。
お解りいただけたでしょうか?「売上高経常利益率」の本質。