【その31】 ★経営分析その6「総資本回転率」について考えよう!
今回は投資効率に関する指標について、考えてみましょう。
題して、「あなたは、筋肉質? それとも、メタボ?」
いま巷では、「そんなの関係ねえ!! そんなの関係ねえ!!」が大ブレーク中。うちの2才の孫まで「オッパッピー!」。裸で活躍中の小島よしおが披露する、六分割の腹筋に溜息をついたお父さん、メタボ体質から脱却したいと早速ジムへ。
企業にも、ヴァブルの時に借金して購入した土地が遊んだまま、値下がりして売ろうにも売れないメタボ体質のところと、効率の良い資産内容と信用に裏打ちされた負債、その結果としての潤沢な純資産を持つ筋肉質のところがあります。
それを見分けるのが、「総資本回転率」です。
総資本回転率は、次の算式で算出します。
●「総資本回転率」 = 売上高 ÷ 総資本
例題で見てみましょう。
総資産(企業の保有する総財産) 10億円
売上高(年間売上高) 5億円
総資本回転率 = 5億円 ÷ 10億円 = 0.5回
つまり、年間5億円の売上を10億円の総資産で稼いでいる企業の総資本回転率は、0.5回ということになります。
逆にいえば、1.0回とは「総資産=売上高」を示します。
えっ?それがなにを意味してるのかって?
はい、あなただけにこっそり教えます。コスト管理術。
鉄鋼業・自動車産業を始めとする製造業は、設備産業とか装置産業などと言われるように、膨大な固定資産を必要とします。このような業界の総資本回転率は、1.0回かそれ以下になる傾向があります。従って、付加価値の高い製品を売らないと採算がとれません。
逆にスーパーマーケットなどは、薄利多売の世界でしのぎを削っていますので、資産をできるだけ少なくし、効率の良い経営をしていく必要があります。イオンがテナント方式で店舗展開をしているのはその好例です。このような業界では、総資本回転率は、1.0回を上回り、2.0回に近づく傾向があります。
建設業は、建設機械さえあれば仕事ができるので、それほど固定資産は必要としません。従って、総資本回転率は、だいたい1.0前後に収まるのが一般的です。
このようにそれぞれの業種・業態特有の固定資産を所有するかどうかで、総資本回転率の数値はある程度決まりますが、重要なことは同規模の同業他社と比べて我が社はどうなんだ?と、比較対照してみるところにあります。
例題のような、5億の売上を稼ぐのに10億の資産が必要とされることが、その業界で普通なのか?多すぎるのか?を判断する必要があるのです。
資産内容をよく検討した結果、無駄なものがあれば思い切って損切りしてしまうことも必要でしょう。
同業他社の数値を見るのには、TKC経営指標「BAST」が最適です。
お近くのTKC会員の税理士事務所でお尋ねいただければ、提供してくれるはずです。(多分)
不必要な資産を保有するために、借入金を抱えるなどまさにメタボ体質そのものです。しっかりと管理し、効率の良い事業を進めて行きたいものですね。
次回は、回転率をもう少し細かく分析し、どこが問題かを突きとめる手法について考えてみたいと思います。
お解りいただけたでしょうか?「総資本回転率」の本質。