【その32】 ★経営分析その7「○○回転期間」について考えよう!
今回は投資効率に関する各種の指標について、もう少し細かく考えることにしましょう。
題して、脂肪探しの旅「我が社の脂肪は、どこにある?」第1巻
メタボリック症候群とは代謝力が落ちた状態のことで、その結果内臓脂肪が溜まり、いろいろな病気の原因になるのだとテレビで言っていました。お相撲さんは、皮下脂肪は多いけれど内臓脂肪は少ないので、メタボ体質ではないそうです。
企業にもメタボ体質のところと筋肉質のところがあり、前回「総資本回転率」がそれを見分けるために使う指標だとお話ししました。
では、我が社のどこが効率の悪いところなんだ?と疑問が湧くのは当然ですね。
確かに総資本回転率は、会社全体の体質を見るのにはよい指標ですが、より具体的な問題点を洗い出すのには不向きです。
このような場合は、それぞれの資産ごとに回転率を算出して見ることになります。
そもそも回転率とは、年間売上高を分子、資産・負債を分母とする指標ですが、算出された1.5とか2.0とかの数値が何を意味するのかピンとこないので、分子と分母を入れ替えた「○○回転期間」を算出することが多いようです
例題で見てみましょう。
現金・預金 0.5億円
売上債権 3億円
たな卸資産 1.5億円
有形固定資産 5億円
買入債務 2億円
固定負債 7億円
純資産 1億円
売上高(年間売上高) 5億円
★現金・預金回転期間(日)= 現金・預金残高÷年間売上高×365
= 0.5億円 ÷ 5億円 × 365
= 36.5日
つまり、年間売上5億円の36.5日分(約1.2ヶ月)の現金預金を保有しているということになります。
えっ?それがなにを意味してるのかって?
はい、あなただけにこっそり教えます。コスト管理術。
この日数は、売上の日数です。つまり36.5日は「売上が全くなくても、1ヶ月は資金が回る」ことを表しているのです。
同様に、他の指標についても算出してみましょう。
★売上債権回転期間(日)= 売上債権残高÷年間売上高×365
= 3億円 ÷ 5億円 × 365
= 219日
219日(約7.3ヶ月)の日数を長いと見るか短いと見るかは業種によって違います。ただ、納品してから振込があるまでの金利を負担していることは、くれぐれもお忘れなく。
我が国でも米国のように債権譲渡が活発化するなど短くなる傾向にあります。
★たな卸資産回転期間(日)= たな卸資産残高÷年間売上高×365
= 1.5億円 ÷ 5億円 × 365
= 109.5日
109.5日(約3.65ヶ月)の日数を長いと見るか短いと見るかはこれも業種によって違いますが、資材倉庫や製造ラインに乗っている間の金利は、間違いなくコストです。
会計側の人間は在庫を資産と見がちですが、実際のところは売れなければ不良在庫でしかありません。
長くなりましたので、この続きはまた。
次回は、回転率を更に分析し、どこが問題かを突きとめる手法について更に考えてみたいと思います。
お解りいただけたでしょうか?「○○回転期間」の本質。